2018.07.27
足首が固くて曲げられない、という社会人バスケットボール選手の治療。
名古屋市中区大須のたけし接骨院院院長の水之江です。
先日から社会人バスケットボール選手の足首の硬さをとる治療を行っています。
初診の問診時、その選手が言うには昔ひどく捻挫したことがきっかけで足首が硬くなり、その状態でプレイしていると足首の背側がだんだん痛み、練習後には関節が腫れているという事でした。
そのような状態で足関節を背屈した際は、
『 足関節の背側面に骨性の詰まった感じの制限を感じるのではないか? 』とお聞きすると、
『 そうです 』と言われます。
(やっぱりね・・・)
その訴えを聞き、この足関節が硬くなってしまう直接の原因が、距骨のはまり込みができていない為という確信しました。
社会人リーグでプレイをしているほどなので関節が硬い状態では関節がスムーズに動かないため、関節を構成している構造物にかなりの負担がかかっている状態だったと思います。
この患者様が関節が硬いと感じている直接の原因は、足関節を構成している距腿関節の位置異常(アライメント異常)です。
具体的には距骨が正常な位置になく、少し前方へ偏移している状態。
この状態にあると足関節を背屈した際に距骨がうまく関節にはまり込んでいかない為、距骨と脛骨遠位端がぶつかる形になります。
と言う事は何をすればいいのかが明確になります。
距骨が前方へ偏移しているのを治せばいいのです。
それには距骨が前方へ偏移している原因を明確にしなくてはなりません。
関節を構成しているのは主に関節包、骨、靭帯、筋腱です。
この中で能動的に関節を支える事ができるのは筋腱ですから、筋腱が機能していないと考える事が自然。
以前にもブログでお伝えしたことがありますが、筋肉の起始と停止の距離には力が入りやすい距離があるし、入りにくい距離があります。
全身の筋肉が機能するような状態になると、骨は正しい場所へ配置されるようになります。
アライメントが改善するという事です。
筋が機能しアライメントが改善されると、距骨が関節にキレイにはまり込んでいくため、骨性制限のない背屈ができるようになります。
ただし、今まで骨性の可動域制限があったせいで、関節周囲の軟部組織(筋腱、靭帯、関節包)が短縮している為、骨性制限ではない軟部組織による可動域制限が残ります。
だから、骨性の可動域制限がなくなった今も『 関節がまだ硬い 』と言われますが骨性の背側が詰まったような制限ではないと言われています。
最初と比べて中身が全く違う状態。
骨性の可動域制限ではなく軟部組織の可動域制限となれば、あとはどんどん動かしていく事で短縮した軟部組織に伸長ストレスをかける事になり、だんだんと関節は柔らかく、曲げられるようになっていきます。
まとめると何がいいたいのか?
関節が硬いのにも種類があって、硬いのならただ動かすようにすれば柔らかくなるというものでもないという事です。
まずは動きが硬い直接の原因は骨性又は軟部組織性のどちらの硬さによる可動域制限なのかを見極める事が必要。
骨性の制限ならば、まずはアライメントを整える事を優先する。
軟部組織性の制限なら、どんどん動かすようにするという処方になります。
ここを間違えると、症状改善までの時間が闇雲にかかってしまうばかりか、症状が悪化してしまう事になります。
ところが、アライメントに異常があり骨性制限のせいで関節が硬いと診断できる治療家は少ないようです。
早い段階からこの患者様がそう診断され、アライメントを改善する為の処方を受けていたならこんなに長い期間、足首の硬さに悩む事はなかったでしょう。
(学生時代に捻挫をしたという事だったので数年単位で悩まれていました)
もしこのブログを読んでいるあなたが同じように足首の硬さで悩んでいるなら、それは骨性又は軟部組織性の制限なのかを把握できていますか?
正しく原因を把握する事が症状改善の近道です。
上記に該当するなと思ったあなたへ。
たけし接骨院にお任せください。