2018.05.26
レントゲン、CT、MRIで異常なし!でも痛いのはなぜ?
名古屋市中区大須のたけし接骨院院長の水之江です。
膝の痛み、腰痛、肩こり、腱鞘炎など、多くの症状について画像診断を受けたのに異常なしと言われ、湿布や痛み止めの処方をされてそれ以外の治療はなし。
そんな経験をされている方は多いのではないだろうか。
[caption id="attachment_2108" align="alignnone" width="1024"] A young woman massaging her painful knee[/caption]
今日もそう言われて特に何の治療も受ける事なく、約1年間、膝の痛みを我慢していた患者様が来院された。
処方されたのは上記の通り、湿布と痛み止めである。
痛くなった理由は、年齢からくるものだろうと言われたそうだ。
50代前半の方だったが、果たして本当にそうだろうか。
もし年齢のせいであれば、同年代よりも上の方は全員膝が痛いという事になってしまうが実際はそうではない。
もっと高齢の方でも痛みがない人は5万といる。
なぜ年齢のせいではないと言えるのかが気になる方もいるだろうが、今日はここについて掘り下げないでおく。
今回はタイトルにあるように痛みがあるのに画像上は問題ないから異常なし、とされてしまうケースについてなぜなのかを書こう。
結論からいおう。
上記にしめした画像には、動作は映らないからだ。
もっというとその動作に関わる筋肉の機能は画像では映らないから、そこに異常があったとしてもわからないのだ。
常々私は多くの痛みの原因は、動作異常だと考えている。
関節が正常に動いていないせいで、構造物同士がぶつかったり擦れたり、偏った使い方で負担のかかるところに痛みがでるといった具合だ。
いやいや、関節は正常に動いているではないか!
という声が聞こえてきそうだが、果たして本当にそうだろうか?
一見関節は動いているが、それが正常な動きになっているかどうかを正しく評価できている治療家は少ない。
それは、上記にしめしたような画像上での診断にとどまり、筋力検査や動作分析をしない事からもうかがえる。
膝関節を例に挙げてみよう。
一見曲げ伸ばししかしていないように見える関節だが、回旋や転がり滑りといって脛骨上を大腿骨が滑って転がるというような複数の動きを行っている関節である。
多くの治療家はこの事を学生のうちに学ぶ、授業中寝ていなかったなら知っているはずだ。
だが、なぜなのか分からないが治療となると急にこの事を忘れたかのように、画像しかみない。
本当に授業中寝ていたのか・・・・
とにかく動作をみない。
もっと言うならば、その動作に関係するすべてが正常に機能しているかをみていない。
膝の関節に限らず、関節を動かすのは一つの筋肉だけではなく多くの筋肉が働く事で正常に動く。
屈伸する事がメイン、回旋がメイン、前方へ引き出すのがメイン、後方へ引き出すのがメインの筋肉など。
メインと書いたのは、一つの筋肉は複数の作用を担っている事が殆どだからだ。
もうわかったと思うが、得意とする動きがそれぞれの筋肉にはあるのだが、これらの筋肉の働きは画像には見て取れない。
もし、この中の一つの筋肉の働きがなくなっていたとしたらどうだろう。
屈伸に関わっている筋肉が働かないならだれでも異常ありと気づくだろうが、例えば軽微な動きしかない回旋の動きにかかわる筋肉の働きがない場合、ここに気づく人は少ないだろう。
軽微な動きしかしない回旋の動きは、その動きができているかをみようとしないとわからないばかりか、ある程度経験値を積んできたものでないとわからない。
上記のように画像でしか判断していない場合、まったくこの正常な関節運動があるかどうかを診ようともしていないという事なのだから、画像上異常がないとみると、痛みがでる理由を年齢のせいだといったり、体重が重いせいだと言ったりするのだろう。
だからこの患者様は1年もの長い間、膝の痛みに悩むことになったのだ。
このブログをここまで読んでいただいたあなたは、もしかして長い間痛みに悩んでおられた方かもしれない。
これを機会に、画像上は異常がないとされている症状でも必ず原因があると言う事を知ってほしい。
たとえそれが長年治らない痛みや繰り返す痛みであってもだ。
諦めないでほしい。