2018.05.18
腰椎分離症の高校球児が、整形で野球をやめなさいと言われたそうです。
腰椎分離すべり症の高校生がいるのですが、整形外科でスポーツをやめたほうがいいと言われたそうなのです、そのようなものでも先生の所では治療可能ですか?
と現在通院している患者様から質問をうけました。
結論からいうと、スポーツをしても大丈夫にする事が可能。
腰椎分離すべり症というとかなり悪い状態と思われるようで、患者様は医師にスポーツをしないようにと言われるとそれが正しい判断と思ってしまわれる事が殆どだと思います。
ところがそのように一見重症なイメージの分離症も、そうなってしまった原因を治す事で全く症状が出ない身体にする事ができるという事、さらにスポーツをしても全く問題がないくらいにまでにできる事をこのブログを読み進めていく中で感じて頂きたい。
腰椎分離すべり症は腰椎に対して剪断力が繰り返し働く事によって腰椎の椎弓と呼ばれる部位が疲労骨折し、そのレベルの椎体と下位レベルの椎体が前後にずれていくというもの。
もしこの剪断力がかかる状態を治せないなら整形外科で言われたように、スポーツは避けたほうがいいでしょう。
しかしこの『 剪断力 』がかからない身体にする事が可能なのです。
この剪断力がかからない身体になれば、いくら椎弓が疲労骨折をしていて、椎体が前後にずれていても背骨は正しい位置にもどるので痛みなどの症状は出ないようになります。
更にこの剪断力がかかっていない状態は、機能的な身体であるという事と同じなので症状が出なくなるだけでなく、スポーツにおいて今までよりも身体が軽く感じパフォーマンスが向上しているような実感が得られるまでになるでしょう。
本当にそんな事ができるの?
といわれてしまいそうですが、剪断力がかからずに腰痛もない人は五万といるのですからそのような健康な人と同じ体にすればいいのです。
そんなに簡単に言うけどとまた聞こえてきそうですが、同じ人間ですから大きく骨格が違うとか、筋肉の機能が違うという事がない限り可能。
激しい運動をしていて分離すべり症になったのだから、また激しい運動をしたら再発してしまうのでは?とも聞こえてきそうですが、同じように激しい運動をしている人でも全く腰痛がでない人もいます。
この人達と何が違うのか?その違いを見つけ、それを治せば良いのです。
もう一度言います、同じ事をしていても腰椎分離すべり症になってしまう人は、腰部に剪断力がかかるような身体の状態にあるという事。
その剪断力がかかってしまう身体とはどんな状態なのか原因を掘り下げ、そこを治すことで痛みの出ない身体にする事が可能なのです。
そしてその違いとは多くの場合身体の使い方です。
例えば同じ手を握るという動作でも、小指側で握るのか親指側で握るのかでも主導で働いてくる筋肉群は大きく変わってきます。
力の入り方が親指側優位なのか小指側優位なのかという概念は一般的になっていないのですから、普通の人はそのような事があるなどと考えた事がないかもしれません。
手の握りはただ『 握る 』のか『 開く 』のかの動作でしかとらえられず、どちらが優位なのかという視点でみている人は同じ治療家でも非常に少ないのが現状です。
手は握れるし開けるとなると、それ以外に何の異常があるのかを調べるのがCTやMRIといった画像診断で、殆どがこのような流れになっています。
しかしこの場合、力の入り方は画像で診断できませんから画像上は異常なしとされる事が多く、その際の医師からの処方は血流を良くするものや痛み止め、筋肉を弛緩させる為の薬の処方である事が殆ど。
これは原因に対する処方となっていない事は、ここまで読み進めていただいた方はおわかり頂けているのではないでしょうか。
そうやって様子を見て良くならなければ、スポーツを禁止されたり、Ope を勧められたりするわけです。
このような状況を経験した事は大勢いらっしゃるのでは?
原因から治そうとしたとき、一見何も異常がないと思える動作でも、どの筋肉群が主導なのかをみなければなりません。
そうする事で腰部に至っては、その主導となっている筋肉群が腰部に剪断力をかけているのなら、剪断力をかけない筋肉群が働くようにするための処方をする事になります。
であれば剪断力をかけない筋肉を鍛えればいいという発想が一般的ですが、以前もブログに書いた通り機能していないところを鍛えるのではありません。
今では様々なトレーニング法が開発され、狙った筋肉を重点的に鍛え大きく強くする事ができるようになりました。
狙った部位をトレーニングをして強化する事ができても、その際のトレーニングフォームが日常の中やスポーツ中にある動作なのかと言えばそうではありません。
いくら狙って筋肉を鍛える事ができていても、機能していない人では何気ない動作で本来なら力が入らなくてはならない部分、それがたとえ鍛えている部分であったとしても、そこに力が入らないのです。(ちなみに意識して力を入れてみてと動作の中でやってもらっても、本人は力を入れる事ができない事が多い)
機能するとは無意識でも何気ない動作の中で力が本来入るべき所に入るという状態で、
それは鍛えなくとも、無意識でも、腰部に剪断力がかからない力の入り方にする事が可能なのです。
根本的に治すには鍛えるよりも、そんな身体の使い方をまず獲得する事が優先。
トレーニングブームの今、鍛えれば大丈夫となっている人が多く、そのような人ほどたけし接骨院で行う私の機能検査で機能していない現状を実感したときびっくりされます。
鍛えれば機能するのは間違い、フィジカル(強さ)も大切だがまずはファンクショナル(機能的)かどうかが大切。
あなたの身体は機能的だといえますか?