2018.04.11
【力が入らない=弱化】は本当か?
たけし接骨院に来院される患者様の中には最近流行りのパーソナルトレーニングをしている人や、自分でトレーニングをしてる人、トレーナーの方も来院されます。
どの患者様にも治療に入る前に必ず検査をしますが、その理由は大きく二つ。
私自身が患者様の状態を知る為でもありますが、それよりも患者様自身にご自分の身体の現状を知ってもらう事が一番の目的。
常々、根本的に治す為には私が把握している事よりも、患者様自身が自分の身体が今どんな状態で、なぜその症状が出てしまっているのかというメカニズムを理解する必要があると考えています。
自分の身体の事や痛みのでるメカニズムに詳しくなれば、治療に通わなくても自分で痛みが出ないようにできます。
『 何か知らないけれど治療してもらったら痛みが取れた 』という状態ではまたいつ痛くなってもおかしくありません。
逆にいくら治療に通っても日常生活の中でその症状にとって悪い事を、知らず知らずのうちにしてしまっていれば、治るものも治りません。
だから患者様自身が何が良くて何が悪いのかを知って、自分でなんとかできるようになる事が大切なのです。
でもその症状がでたのは
『 何かをしたから 』痛くなったのではないという事。
これまで多くの患者様に問診をさせていただいてきましたが、必ずといっていいほど返ってくる答えはその原因が『 何かをしたから 』というもの。
重い物を持ったり、長時間同じ姿勢でいるせいで、中腰になったり、激しいスポーツをしたから、姿勢が悪い状態が長く続いて・・・
など。
もしそれが本当の原因だったとしたら、それをした全員が症状に悩まされていなくてはなりません。
実際はそうではないはず。
同じことをしても症状が出ない人もいるのではないでしょうか。
なぜ同じことをしても症状がでる人と出ない人がいるのか?
この違いこそが本当の原因で、それが自分の身体の状態にある事を知り、改善方法を知る事で、痛みが取れるだけではなく再発しないようにできるようになっていくのです。
『 同じ事をしても症状が出てしまう体になってしまっているんだな 』
と理解できれば、そんな自分の身体を改善しようと思えるのではないでしょうか。
多くの患者様がこれまで、重い物を持たないよう、長時間同じ姿勢でいないように、中腰にならないように、激しいスポーツをしないように、姿勢を良くしようと指導されてきたかもしれません。
たしかに症状の再発をそれで防げるかもしれませんが、同じことをしても症状が出ない人もいる中で、これが根本的な治療と言えるのかといえば私はそうは思いません。
何をしても大丈夫な人がいるのなら、そんな人と同じような体になってほしいと思います。
またそれとは別に、明確な原因のせいで症状が出てしまっている人もいます。
強打してとか強く捻ってとかという明確な外力です。
そうやって受傷した場合には明らかにそれが原因と言えますが、そうであってもその後の治療で症状が早くとれる人もいれば、とれないでなかなかすっきりしない人もいます。
この違いはなんでしょう。
『 何かをしたから 』でしょうか?
『 何かをすると症状が出やすい身体になってしまっている 』からでしょうか?
私が何を言いたいかはもうもうお分かりかと思いますが、原因がはっきりしているような場合でも治りが良い人もいれば悪い人もいるというのは、やはりその人の身体の状態に原因があるという事です。
そんなはずはないと言われてしまうかもしれませんが、これまで多くの患者様を診てきた経験からの話として聞いてもらえればと思います。
それではその身体とはどんな状態なのか?
今まで何度もブログに記載してきた事ですが、その多くは全身の筋肉が機能していない状態にあるという事です。
治療前に行う検査で一番重要視しているのは、これを調べるための体感型の筋力検査。
正常ならば力が入っていなければならないところに、検査をすると力が入っていないということが多々あります。
関節が動くのだから、機能していないはずがないと思われるかもしれませんが、筋肉は640個もあるので、一つの関節を動かすのは一つの筋肉ではなくたくさんの筋肉が協力して一つの関節を動かしているおかげで、2、3個筋肉が働かない状態でも関節は動かせてしまいます。
だから、機能していないようには見えないかもしれません。
関節が動くのだから異常があるとかないとかは考えないかもしれませんが、全身の筋肉が機能していない時と、治療後の機能し始めた状態が良い時の力の入り方との違いを体感してもう事で自分の身体の現状を把握できます。
そうして力が入っていない事を把握してもらったら、あとはそこに力が入るようにしていくだけ。
でもまたここで普通の人は、『 それならば力が入っていないところを狙ってだとか、バランスよくトレーニングをしていけばいい 』と考える事が多いのが現状です。
この考えがまた症状を長引かせているのです。
そこに力が入らないのは他に原因があるのですから、その他の部分に目を向ける必要があるのに。
たけし接骨院では動作の改善を指導したりリハビリを指導していますが、それを実践した患者様は今まで力が入っていなかったところを直接トレーニングするわけでもないのに、力が入るようになった事にびっくりされます。
このリハビリで行う運動療法は、上述したように力が入っていない筋肉を直接鍛えません。
力が入っていないから鍛えるのはタイトルにあるように
【力が入らない=弱化】の考え方をしている人達、でもこれが一般的。
だからびっくりされているのだと思います。
実際は他に原因がある為にたけし接骨院での運動療法は、力が入っていないからといってそこを鍛えるという事はしません。
根本的に改善したいなら
【力が入らない=弱化】という単純な考え方では難しいという事。
だからといってトレーニング自体を否定するわけではありません。
機能しているかどうか、機能させるためには力が入らないからといって、そこをトレーニングする事は根本改善になっていないかもしれないという事を言いたいのです。
力が入らなくなっている原因はどこなのかをしっかり見極める事が必要。
あなたは身体が機能しているかしていないかを把握していますか?
また機能していないならその原因が何なのかを把握していますか?