2017.02.09
腱鞘炎の方が来院されました。
腱鞘炎と聞くと『 手の使い過ぎ 』からなると思われた方が殆どだと思います。
そう思ってしまうのも無理はありませんが、実はそうではないんです。
そう思ってしまうのにはこれまで多くの治療家がそのように説明してきてしまっていたことに原因があります。
昔は僕もそう説明してしまっていました。
こんばんは、水之江です。
腱鞘炎と聞くと、冒頭に書いたような原因を思い浮かべる方が多いと思います。
でもそれが原因ではなく、もっと具体的で明確な原因があります。
もし手の使い過ぎが原因だったとしたら、手をよく使う人全員が腱鞘炎になっていなくてはなりません。
でも実際はそうではありませんよね?
もし手の使い過ぎであれば、行う処方は使いすぎないようにする事となるのですが、使いすぎているという人以上に手を使っているのに腱鞘炎になっていない人を何人も知っています。皆さんも周りにいるのではないでしょうか?または自分がすごく手を使っているのにも関わらず、腱鞘炎になったことがない方もいるのではないかと思います。
そんな説明がつかない状態がある中で、『 手の使い過ぎだから腱鞘炎になる 』と説明する事にだんだんと後ろめたさを覚えるようになりました。
そこで、一般的に使いすぎていると言われるくらい手を使っているにも関わらず、なぜ腱鞘炎になる人とならない人がいるのかを『 なぜ・なぜ・なぜ・・・・・・・』と掘り下げて、勉強と検証を重ねてきました。
答えは、手をどれだけ使っても腱に負担のかからない人いがいて、少し使っただけでも腱に負担がかかっている人がいるとう事でした。
この違いによって症状が出る出ないが決まってしまいます。
当たり前の事をすごい事のように言っているかもしれませんが、図に表すと下図のような事になります。
どういうことかというと、外側の黒丸が腱を入れている腱鞘を表していて、オレンジ色が腱だとします。
左の図は、腱が腱鞘に触れていませんが、右の図は腱が腱鞘に触れています。
右の図のように腱が腱鞘に接触している時、手を使えば腱と腱鞘が擦りあいます。
これが負担となっているわけです。
左の図のように腱が腱鞘に接触していない場合は、どれだけ手を使っても腱に負担がかかりません。
これが腱鞘炎になってしまう直接の原因で、これを見極めなければ腱鞘炎は治りません。
実は多くの治療家がこの事を知らないために、手を使わないように安静にしなさいとか、手が使えないように固定しようとするのです。
この事が分かれば、固定する必要はなく、腱が腱鞘に接触しない身体にすればいいわけです。
そのための施術を当院で行っていますが、施術を終えてすぐ手を使ってもらっても痛みが出現しない事に皆さん驚かれます。
腱鞘炎になって来院される患者さんは、長い間痛みを抱えてこられる方が殆どです。
しかも、使わないようにしたほうがいい、固定したほうがいいと言われてきたものをだましだましガマンしながら使ってきたわけですから1回の治療で大幅に痛みが消失し、使っていいと言われるのだから驚かれるのも当然ですね^^
腱鞘炎に限らず、間違った認識で間違った対処法をしているせいで、症状の回復が遅れてしまっていたり、改善していかないという事をそれまで患者さんが受けてこられた治療内容を聞くたびに残念に思う事があります。
僕もまだまだ、完璧だ!と言えることは全くないですが、間違った認識を少しでも変え、多くの方が早く悩みから解放されるよう日々精進したいと思います。