2017.03.19
膝の痛み、膝に水が溜まる・・・などに行っている事、それは治療ですか?対処療法ですか?
今日はバタバタとした一日を過ごし、やっと落ち着いてコーヒー飲みながらブログを書いています^^
こんばんは、院長の水之江です。
先日、ある業界で有名な方から問い合わせがありました。
『 友人の奥様が膝の半月板か靭帯の手術をしたんだけど、その後の経過が思わしくなくて、たまった水抜いたり関節包にヒアルロン酸注射したりしてるけど、改善が見られない 』
このような内容です。
ここで出てきている処置、溜まった水を抜いたりヒアルロン酸注射は治療なのか対処療法なのか・・・
僕はこれらを対処療法と考えています。
それは簡単にいうと水を抜くのは溜まったからだし、ヒアルロン酸注射するのは動きがスムーズでないからという起こったことに対して行っている事だからです。
残念ながら何故水が溜まったのか、何故動きがスムーズでないかに対しての根本治療のための処方ではありません。
このような処方しかされていないのであれば、なぜ水が溜まるのかや動きがスムーズでないのかを考えていないのか又は治療法を知らないか、そもそもなぜ水が溜まるのかという考え方がないのか、知っていてもやっていないか(これはないと思いますが)だと思います。
実際、たけし接骨院に来られる膝の痛みを抱えて悩まれている方の多くが、病院で水を抜いてもらったり、ヒアルロン酸注射をしてもらっていて、それ以上のことはしてもらっていないとおっしゃられます。
今回の方は長野県の方。
当院に来られる患者様も同じような対処をしてもらっているという事を考えると、全国的にこのような対処をしているのではないかと思ってしまいます。
年々国民医療費が右肩上がりになっているのもうなずけますね。
根本的に治さないのだから、何度も対処療法のために病院に通う羽目になるのですから・・・
話しがそれましたが、水が溜まるのは身体が『 それ以上関節を動かさないで! 』と信号を出しているからです。
関節がスムーズに動かないので、これ以上動かすと関節の内部構造を壊してしまうから水を溜めて関節を動きにくくしてしまおうという身体が本来持っている防御システムです。
膝に水が溜まった事がある方なら動きが悪くなることを体感してるのではないでしょうか?
そうやって関節を動かさないようにしている間に、傷ついた関節内部が自然治癒力で治っていきます。
(そうやって傷は治っても、内部構造が傷ついた原因が治っていない場合にはまた傷めるリスクが残ったまま、これについては後述します)
そうやって体が治そうとしている時に、水を抜いてしまう・・・
すると、関節の腫れがなくなり動かしやすくなるので、本当は安静にしておきたい関節なのに動かしてしまう。
傷は治るどころか、悪化してしまうかもしれません。
皆さんは皮膚をすりむいたり、切り傷をしたりしたらそこをさらに手でこすったりしないはずです。
水を抜いて動かしやすくするという事は、皮膚に負った傷がまだカサブタにもなっていないのに、触ったりこすったりして治りを遅くしているのと同じです。
では当院ではこんな時どのような治療をするのか。
それは、関節の内部構造に負担がかかっている機能的でない動きを正常な動きへと変えるための治療を行います。
関節の構造、機能、運動学、筋収縮の特性、身体重心などを考慮して正常な機能を獲得させるための治療や日常生活動作の指導、運動療法の処方を行います。
人によって身体の状態が違うので具体的にここでは書くのは難しいですが、簡単に言うと機能回復をさせる事。
膝の痛み、水が溜まるといった症状に限らず、打ったり捻ったりといった明確な原因以外の肩こり、腰痛、スポーツ障害なども身体の機能が正常でなくなっているために起こります。
普通の人、多くの治療家もこの事をしりません。
ほとんどの人が自分の体に痛みなどの症状が現れてから自分の身体に異常があると思うのが普通です。
今回は筋骨格系の話だけで言いますが、
人間の体には約640個の筋肉があります。
その筋肉が全部働いていればいいのですが全部働いていない、つまり機能的でない人がいます。
もう少し分かりやすくいうと、全身で640個も筋肉があるわけですから、一つの関節を動かすのに一つの筋肉だけが働いているのではなく、複数の筋肉が協力し合って働いています。
ここからは少し重複になるので先日のブログを読んでください^^
https://goo.gl/dqHi8T
負担がかかっているからと言ってすぐに症状が出るわけではありません。
関節は動かせているから働いていない筋肉があったとしても、自分の身体が悪いとは気づかないのが普通です。
そうして気づかないうちに働いていない筋肉の分を補っている筋肉やその周囲にある関節に負担がかかり、許容量を超えたときに症状が出てきます。
若い人より高齢者のほうが、一般の方よりも激しいスポーツ選手が不調をうったえるのはこのためだと考えています。
今回の様に膝に水が溜まるといった症状を改善させるのもやはり、本来の身体の機能を取り戻す事です。
機能的な動きができるようになった時、膝の内部構造同士がこすれるとか、引っ掛かってロッキングするとかという事がなくなります。
そうすれば、内部構造がこれ以上壊れる事がないと身体が判断してくれるので、関節に水を溜める必要がなくなり水を抜いたりしなくても勝手に水は引いていきます。
僕が考える治療とはこんな感じです。
先日のブログでは体幹の話を書きましたが、当院での治療は機能回復を行うための施術や処方を行っていますから、『 体幹 』が使えているかどうかを重要視しています。
症状が出るような身体の状態は、経験上ですが必ず働いていない筋肉があります。
それは患部だけにとどまらず、全身的に。
ですから必ず筋力検査を行っています。
それは僕が治療を行っていく上でも重要な情報収集にもなりますが、患者様自身が自分の身体の状態を知る上でも必要な情報だと考えています。
先ほども書いたように、打ったり捻ったりと言った明確な原因によっておこる打撲や捻挫は原因が明確なので、打たないように、捻らないようにすれば一生打撲や捻挫をしないという事になります。
それに対して、肩こりや腰痛、スポーツ障害といった症状の原因として挙げられるのが、デスクワークやPCをしていて、重い物を持ったりクシャミをした瞬間、激しい運動など。
でも同じ環境の中にいても症状が出ない人がいますよね?
という事は、デスクワークやPC、重い物を持ったり、クシャミをしたり激しいスポーツが明確な原因ではないという事です。
同じ環境であっても、人によって症状が出てしまうという事はその人の身体の状態に症状が出てしまう原因があるという事です。
それを患者様自身が把握することで、打撲や捻挫をしないようにするのと同じように自分で痛みが出ないような身体の状態に持っていけば痛みが出ないようにコントロールできるようになる。
そのために考えた患者様自身にも実感してもらえる筋力検査です。
症状がなぜ出てしまうのか、痛みのメカニズムを知って、自分の身体の状態を把握すれば痛みをコントロールできるようになります。
これからもしたけし接骨院に来られる方は、ご自分の身体の状態を知り痛みをコントロールできるようになるために、少し難しい話をされても頑張って聞いてくださいね^^